クライエントとの関係を築くためにみなさんは
具体的にどのような応答をしていますか?
よく、クライエントを承認する、ということをおっしゃる方がいらっしゃいます。
では「承認」とはどういうことでしょう?
「よく頑張ったね」
「よくできてるじゃん」
「頭がいいんだね、すごい!」
と褒めたり、労ったりすることを「承認」と履き違えている
ことはないでしょうか。
辞書を引いてみると
「その事柄が正当だと認めること、最もだと認めること」
つまり正しいと肯定すること、
あってるよと認めること、
と書かれています。
また有名なマズローの承認欲求では
「最も健全な承認は、外からの名声とか世の聞こえ、保証のない追従などではなく、
他者からの正当な尊敬に基づいている」
されています。
そして、外からの名声などで満たされた欲求は、「妨害されると、劣等感、弱さ、無力感といった感情が生じる」と続いています。
つまり、保証なく聞こえてくるものは逆に相手に、いつ批評されるかもしれない、という恐れも共に抱かせることがあるのではないでしょうか。
そう考えると、クライエントに対し安易に褒めたり、労ったりすることは
リスクが伴うのではないかと思うのです。
そしてクライエントの中には、褒められること自体が受け入れられない人もいます。
褒める労うより一番重要であり、本来の承認とは、
「正当な尊敬」。
そう、相手をありのまま肯定も否定もせず
「受容すること」。
です。
いいね、できてないね、などと評価する前に、
その人そのまま、プラスの感情もマイナスの感情も、受容できているでしょうか。
あなたを受容しているよ、
と示せているでしょうか。
うわべだけの応答や関係性は、クライエントに見透かされているものです。
奥深い、本当にクライエントに役立つ面接を目指していきたいです。